ヒラセガメ(Cuora mouhotii)の亜種で、ベトナム中部〜南部に分布します。腹甲の放射状黒斑が基亜種との識別点です。
オプストヒラセガメは、ヒラセガメ(Cuora mouhotii、旧属名 Pyxidea、別名モンホットハコガメ)の亜種です。日本国内で流通することはきわめて稀で、亜種として明示された個体を目にする機会はほとんどありません。
このページでは、確実に裏づけの取れている分類・分布・識別形質と、親種に準じる飼育の考え方を分けて記載します。亜種固有のデータとして確認できなかったものは、そのように明記します。
Cuora mouhotii obsti は Fritz ら(1998年)によって記載された亜種で、TTWG(Turtle Taxonomy Working Group)にも有効な亜種として承認されています。ヒラセガメには基亜種 C. m. mouhotii と本亜種の2亜種が認められています。
属名は歴史的に Pyxidea が使われてきましたが、現行の分類では Cuora 属に置かれています。古い資料や流通名では Pyxidea mouhotii obsti と表記されることがあります。
| 項目 | 基亜種 C. m. mouhotii | 本亜種 C. m. obsti |
|---|---|---|
| 分布 | より北側(中国南部〜ベトナム北部ほか) | ベトナム中部〜南部(トゥアティエン=フエ〜ダクラク付近) |
| 腹甲の模様 | ほぼ無地とされる | 放射状の黒斑が入る |
| 移行帯 | ベトナム北中部(クアンチ〜ゲアン付近)に両亜種の移行帯がある | |
亜種同定で決め手になるのは産地情報です。移行帯の個体は外見が中間的になるため、腹甲の模様だけで判定すると誤同定につながります。流通個体で亜種を確認したい場合は、産地の記録があるかどうかを最優先で確認してください。
前述のとおり、本亜種に固有の飼育データは確認できていません。以下は親種ヒラセガメの飼育情報であり、本亜種にもそのまま当てはまる前提で扱ってください。
| 項目 | 親種ヒラセガメの値 | 根拠の範囲 |
|---|---|---|
| タイプ | 森林棲 | 親種の情報 |
| 温度 | 20〜28℃。夏の高温に弱く保冷管理が要る | 親種の情報 |
| 湿度 | 高め。ただし蒸れは避ける | 親種の情報 |
| 最大甲長 | 18cm前後 | 親種の情報。亜種差は未確認 |
| 寿命 | 30〜50年 | 親種の情報。亜種差は未確認 |
| 食性 | 雑食 | 親種の情報 |
分布域が基亜種より南寄りであることから、温度の好みが基亜種と異なる可能性はあります。ただしこれは分布から導いた推測であり、検証されていません。実際に迎える場合は、親種と同じ管理から始めて個体の反応を見るのが安全です。
親種 Cuora mouhotii はワシントン条約附属書IIに掲載されています。CITES の掲載は亜種単位ではなく種単位のため、本亜種も同じ扱いになります。国内で入手する場合は繁殖個体(CB)を前提に、輸出入書類と由来を必ず確認してください。
※ 上記のうち、亜種の分布域と識別形質は当サイトの分類監査で照合した内容です。飼育数値は親種ヒラセガメの情報を援用しています。本亜種を実際に飼育した記録に基づくものではありません。
本亜種を単独で迎える機会はほとんどありません。ヒラセガメの飼育要件を確認したうえで、119種対応の適性診断で自分の環境に合うかを確かめてください。