草食のリクガメ、雑食のヤマガメ・ハコガメ、動物質寄りの水棲ガメ。食性から逆算して選びます。
餌選びでいちばん大切なのは、種の食性に合わせることです。リクガメは基本的に草食、水棲ガメは動物質寄りの雑食、森林性のヤマガメやハコガメはその中間で昆虫やミミズ・果実も食べる雑食——というように、同じ「カメ」でも必要な栄養がまるで違います。草食のリクガメに動物質の多い水棲ガメ用フードを主食にすると、タンパク質過多で甲羅の異常成長や結石につながることもあります。
人工フードは栄養バランスが取れていて手軽ですが、筆者は「人工フードを土台に、野菜・野草や、種に応じた生き餌・果実を組み合わせる」のが基本だと考えています。下の表で、まず自分のカメがどのグループかを確認してください。
| 食性グループ | 主な種 | フードの軸 |
|---|---|---|
| 草食 | ヘルマン・ギリシャ・ロシア・ヒョウモン・ケヅメなどのリクガメ | 草食リクガメ用フード+野菜・野草 |
| 雑食 | ミツユビハコガメ・スペングラーヤマガメ・ヒラセガメなど | 雑食・ハコガメ用フード+昆虫・ミミズ・果実 |
| 動物質寄り雑食 | クサガメ・アカミミガメ・イシガメ・ニオイガメなどの水棲ガメ | 水棲ガメ用配合フードが主食 |
草食性のすべてのリクガメに幼体期から使える定番フード。植物繊維質を強化し、カルシウムとビタミンD3を配合しているため、これ単体でも栄養バランスが取れます。水やぬるま湯、100%果汁でふやかして与えるタイプで、水分補給も兼ねられます。まず試すならこの小容量から。
1番と同じフードの大容量版。よく食べる個体や、複数飼育・大型リクガメではこちらが経済的です。レビューでも「他のフードは食べないがこれは食べる」という声が見られ、嗜好性の高さも定番たる所以。開封後は密閉して冷暗所で早めに使い切ってください。
栄養学者・獣医師チームが開発し、世界中の動物園でも使われる高繊維質フード。着色料不使用で、結石予防の観点からも評価されています。粒は大きめなので、まずは小容量で食べるか試すのがおすすめ。水でふやかすと食いつきが良くなる個体が多いです。
マズリ5M21の大容量・密封パック。マズリは元々窒素充填で鮮度を保つ設計のため、脱酸素剤入りの密封小分けは長く使ううえで実用的です。食べることを確認できた個体の、日常使いの主力としてどうぞ。
雑食性のカメ向けに、植物質と動物質をバランスよく配合したフード。レビューでも雑食性が強くなったイシガメの亜成体に使われるなど、ハコガメ・ヤマガメ系の人工フードの土台として便利です。ただし雑食種は人工フード一辺倒にせず、昆虫やミミズ、少量の果実も組み合わせてあげてください。
本来はヤモリ用ですが、嗜好性が高く、水でふやかして口元に付けると舐めてくれることから、拒食気味の個体の「つなぎ」として知っておくと心強い一品。動物質寄りの雑食ガメの食欲が落ちたときや、新入りの餌付けの突破口に使えます。主食ではなく、あくまでレスキュー・補助の位置づけで。
水棲ガメ用配合フードの代名詞ともいえる定番。カルシウム・ビタミンを強化し、これを主食にしている飼育者が非常に多い安心の一品です。大粒は中〜大型個体向け。浮くタイプなので食べる様子を観察しやすいのも利点です。
レプトミンの上位「スーパー」シリーズ。エビ・甲殻類を主体に嗜好性を高め、ビタミンA・D3・カルシウムを強化したプレミアムタイプです。中粒は甲長5〜10cmの個体向け。少量サイズなので、食いつきを試したいときにも。
スーパーの大粒・大容量版。育って食べる量が増えた大型の水棲ガメの主食に。栄養強化の方向性は中粒と同じで、サイズと容量だけが異なります。よく食べる個体ならコスパも良好です。
「水の汚れと臭いをおさえる」が特徴の主食フード。ひかり菌と茶葉の働きで飼育水が汚れにくく、適度に固い粒で食べ散らかしも減らせます。沈下性なので、浮きエサを怖がる神経質な個体や、水底で落ち着いて食べたい個体に向いています。レプトミンと交互に与えて飽きを防ぐ使い方も人気です。
アカミミガメ・ペニンシュラクーター・大型ドロガメなど甲長20cm超の水棲ガメには、標準サイズのカメプロスでは食べ応えが足りないことがあります。大スティックは一粒が大きく、成体が一口でしっかり食べられるサイズ感。ひかり菌配合で水質維持の効果はそのままです。
レプトミン通常版より動物性タンパク質を強化した配合。成長期の幼体や、産卵後の体力回復が必要なメスのリカバリー食として使われます。日常の主食にするよりも、通常のレプトミンにローテーションで組み合わせる使い方が効果的です。
飼育水の臭いと汚れを抑える機能を強化したレプトミンの大粒版。腸内の善玉菌を増やす成分が配合されており、水換え頻度を少し下げながら水質を保ちやすくなります。成体〜大型個体が食べやすい大粒サイズで、水棲ガメを飼い慣れた方が「水質維持」を重視して選ぶフードです。
ニオイガメやドロガメの幼体など、口が非常に小さい個体には通常サイズのカメプロスが大きすぎることがあります。カメプロスミニは極小粒で幼体でも食べやすく、食べ残しによる水質悪化も抑えられます。ヒメニオイガメの成体など小型種の主食としても使えます。
通常のカメプロスより素材にこだわった上位版。食欲が落ちている個体のきっかけ食や、長期飼育している個体に変化をつけるための副食として使われます。嗜好性が高いため、人工フードを嫌がる個体のならし食としても効果的です。
米国のマズリ社が開発したリクガメ専用配合食。草本植物を主原料とする高繊維質で、本来の草食性に近い配合が評価されています。国内ではペット専門店や通販で入手できます。野草・野菜の主食を補う副食として使うのが定番の使い方です。
乾燥させた川エビを丸ごと与えるおやつ。カメは本来甲殻類も食べるため、こうした副食で食性の多様性を補えます。人工フードに飽きた個体のきっかけ食にもなりますが、高タンパクなので与えすぎには注意が必要です。週に1〜2回、数粒程度の補助的な使い方が適切です。
筆者も使用中のビバリア リクガメフード。907gの大容量で複数頭を飼っている方や、主食として大量消費する場合のコスパが優れています。成分は高繊維質で草食性リクガメの食性に沿っており、野菜・野草の補助食として毎日与えやすい。日本国内でも入手しやすい定番です。
人工フードは栄養バランスが整っていて便利ですが、筆者はそれだけで完結させず、種に応じて本物の食材を組み合わせるようにしています。草食のリクガメには小松菜・チンゲンサイなどの野菜や、農薬のかかっていない安全な野草を。雑食のヤマガメ・ハコガメには昆虫やミミズ、少量の果実を。水棲ガメには時々、川エビなどの動物質を。
避けたい食材もあります。ほうれん草はシュウ酸が多く、キャベツなどアブラナ科の多給も好ましくありません。果物は糖分が多いので与えすぎに注意です。種ごとに最適は変わるので、各ハブページの種別情報も併せて確認してください。「フードを土台に、自然の食材で補う」——これが筆者の基本の考え方です。