ニホンイシガメヤエヤマイシガメミナミイシガメ
日本固有種の現状と飼育の意義
ニホンイシガメ(Mauremys japonica)は日本固有種で、かつては全国の清流・水田・ため池に普通に見られました。しかし現在、生息地の消失・外来種(クサガメとの交雑・アライグマによる捕食)・採集圧などにより生息数が急減し、レッドリストに掲載される地域が増えています。
飼育下で命をつなぐ意義は小さくありません。ただし野外個体の採集は種の保全を脅かします。必ず国内繁殖(CB)個体を選んでください。
ニホンイシガメとクサガメの見分け方
ペットショップで「イシガメ」として販売されているカメがクサガメ(Mauremys reevesii)であることは珍しくありません。購入前に以下の点を確認してください。
| 特徴 |
ニホンイシガメ |
クサガメ |
| 背甲のキール |
中央に1本のキール(隆条) |
3本のキール(隆条)が走る |
| 腹甲 |
模様のないほぼ一様な黒色 |
黒っぽい個体から、明るい地色に模様が入る個体まで幅がある |
| 頭部 |
細かい模様がない黄土色 |
黄色い細かい縞模様が多数入る |
| 臭腺 |
ほぼ無臭 |
威嚇時に独特の臭いを出す |
⚠️ 交雑個体(ウンキュウ)に注意:ニホンイシガメとクサガメの交雑個体「ウンキュウ」が野外・飼育下で多数確認されています。外見が中間的で判別が難しく、野外への放流は厳禁。国内CB個体を入手する際は、信頼できるブリーダーや専門店から産地・親個体の情報付きで購入することを推奨します。
AI生成の飼育環境イメージ図です。実際の設備・サイズ・配置は、種類や個体の大きさ、飼育環境によって異なります。配置の一例です。必要な機材・能力は飼育するカメや水槽サイズによって異なります。
清流産ゆえの、夏の繊細さ
ニホンイシガメは清流や湧水を好む種です。活発に活動する水温は20〜28℃が目安で、夏は水温の上昇に水質の悪化が重なると体調を崩しやすくなります。28℃を超えないよう保つのが安心で、室内では水槽用クーラーかエアコン、屋外では日陰と水量の確保が夏の重要な対策になります。
- 水質:濁った水を好みません。外部フィルター+週1〜2回の水換えを組み合わせ、透明感のある水を保ちます。
- 陸場・バスキング:半水棲なので、全身が乾かせる陸場とバスキングスポットが必要です。甲羅干しの機会が少ないと皮膚病が出やすくなります。
- 冬眠:野外では冬眠しますが、室内飼育では通年加温のほうが安全です。初心者の冬眠管理は死亡事故のリスクが高く、慣れるまでは推奨しません。
- 餌:雑食性。カメプロスなどの人工フードを主食に、ときどき赤虫や野菜を加えます。
対応種リスト
ニホンイシガメ
Mauremys japonica
中級
M(13〜20cm)
日本固有種で国内CB流通も確立。清水を好み夏の高温管理が重要。クサガメより水質に敏感。CB個体を必ず選ぶこと。
ヤエヤマイシガメ
Mauremys mutica kami
中級
M(15〜20cm)
ミナミイシガメ(Mauremys mutica)の亜種で、国内では八重山諸島に分布。国内CB入手推奨。宮古島では国内外来種として問題視されており野外放流は厳禁。
ミナミイシガメ
Mauremys mutica
中級
M(15〜20cm)
台湾・中国南部産のイシガメ属。国内CB流通あり。ニホンイシガメよりやや高温を好む傾向(22〜29℃)。コンパクトで管理しやすい。
クサガメについて:クサガメは飼育ガイドページ(
水棲・淡水ガメ)でも扱っています。外来起源説があり、厳密には「日本固有種」ではありません。本ページでは純粋な在来イシガメ3種に絞って解説しています。
この暮らしから選ぶ飼育機材
日本産カメの飼育に必要な機材を機材別ガイドで紹介しています