Species Guide
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ギリシャリクガメ

Testudo graeca — Greek Tortoise / Spur-thighed Tortoise

甲羅の模様がギリシャ織りに似ていることから名付けられた、地中海から中東・北アフリカに広く分布するリクガメ。亜種が非常に多く、産地によって環境適応が大きく異なるのが最大の特徴です。

甲長
15〜25cm
難易度
中〜上級
CITES / IUCN
II / VU(絶滅危惧)
食性
草食
🌡️ バスキング
35〜40℃
📐 必要ケージ
90〜120cm
💧 湿度
30〜50%(亜種による)
推定寿命
50〜100年以上
⚠️ 初心者向き?中〜上級。亜種が多く、亜種ごとの温湿度管理の違いに注意が必要。
難易度 ★★★☆☆中〜上級
この亀が向いている人
  • ✓ 多様な亜種から自分好みを選びたい
  • ✓ 地中海性リクガメの飼育技術を深めたい
  • ✓ 60〜90cmケージで中型リクガメを楽しみたい
  • ✓ CITES書類管理を含め正規ルートで飼育したい
この亀が向いていない人
  • ✗ 亜種間の管理差を調べる余裕がない方
  • ✗ 入門種を求めている方
  • ✗ 多湿〜乾燥の幅広い環境変化に対応できない方
Life Preview

ギリシャリクガメと暮らすと、どんな毎日になる?

📅1年後の姿
バスキングと採食を繰り返す乾燥地の小型リクガメ。

1年後の甲長は10〜14cm程度。亜種によって体色や模様が異なるのが魅力で、同じ「ギリシャ」でも産地ごとに個性がある。乾燥した環境でケージ内を歩き回る姿が日課になりやすい。

📏10年後のサイズ感
亜種により差が大きく、15〜25cm幅で成長する。

10年後は甲長15〜22cm程度が多い。北アフリカ産の亜種は大型化しやすく、欧州産は比較的コンパクト。重さは500g〜1kgを超える個体も出てくる時期。90〜120cmケージが目安になる。

向いている飼い主
亜種の多様性を楽しみながら長く付き合いたい人。
  • 産地・亜種による色彩の違いを研究したい
  • 乾燥系リクガメの飼育経験があり次のステップを求めている
  • 水換え不要の陸棲種が希望
  • 50〜100年の超長寿種を覚悟して迎えられる
向いていない飼い主
亜種ごとの環境差に対応する知識が少ない初心者。
  • 亜種が多いため、産地情報なしに購入すると飼育条件が読みにくい
  • 高温多湿の環境は苦手で管理ミスが起きやすい
  • 個体によって飼い慣れるまでに時間がかかる傾向がある
  • 初心者向けとしてはヘルマンより難易度が高い場合が多い
⚠️後悔しやすいポイント
💡
「亜種選び」の重要性を知らずに購入してしまう。

ギリシャリクガメは産地・亜種によって最適温度や乾燥度が異なる場合がある。欧州産と中東・北アフリカ産では求める環境が異なりやすく、購入前に産地情報を確認することが安定飼育につながりやすい。また寿命が50〜100年と非常に長く、飼い主の人生設計と切り離せない種でもある。

⚠ CITES II 掲載種 国内で繁殖されたCB個体は飼育可能です。購入時は国内CBであることを確認してください。輸入個体には書類が必要です。
⚠ 亜種に注意:「ギリシャリクガメ」という名称で10種類以上の別亜種が流通しています。亜種によって最適温度・湿度・冬眠可否が大きく異なります。購入時は亜種名(産地)を確認し、その亜種に合った飼育環境を調べてから迎えることを強く推奨します。

野生の暮らし

ギリシャリクガメは南ヨーロッパから中東、北アフリカにかけて広く分布しています。乾燥した草原や低木林、砂漠、荒れ地に生息する乾燥系リクガメに分類されています。

亜種や個体群によっては夜間や冬季など温度が低くなる時は穴を掘って過ごし、食性は草食性で、主に草を食べるが木の葉、花、果実なども食べます。後肢の付け根にある「けづめ(距)」と呼ばれる棘状の突起がヘルマンリクガメとの識別ポイントになります。

成体は高温・低温・多湿・乾燥など様々な環境に幅広く対応できます。ただし幼体は低温と乾燥に弱く、亜種によってはアラブギリシャリクガメのように低温に弱いものも存在するため注意が必要です。

主な亜種と産地の違い

日本で流通する主な亜種と、その環境適応の違いをまとめます。亜種名が不明で販売されている個体には注意が必要です。

亜種名 分布 温度帯 冬眠
イベラギリシャ
(T. g. ibera)
トルコ・コーカサス 25〜32℃
アラブギリシャ
(T. g. terrestris)
イスラエル・シリア 28〜35℃ 不可(熱帯系)
アナムールギリシャ
(T. g. anamurensis)
トルコ南部 25〜32℃ 亜種により異なる
ムーア(アルジェリア)
(T. g. graeca)
北アフリカ・スペイン南部 25〜32℃ 可(冷涼な地域)
亜種不明個体の扱い:販売時に亜種名が記載されていない個体は、どの亜種か判断できないため飼育環境の設定が難しくなります。可能であれば、亜種名と産地情報が明示されている、信頼できる販売元から購入することを推奨します。

飼育環境の数値(イベラ亜種・一般的な設定)

亜種によって最適値は異なります。以下はイベラ亜種(最も流通量が多い)を基準とした目安です。アラブ亜種など熱帯系の亜種は温度をさらに高めに設定する必要があります。

バスキングスポット
35〜40℃
強い日射を好む乾燥系リクガメ。ヘルマンより高めのスポット温度が目安
ケージ全体(昼間)
26〜32℃
クールスポットとホットスポットの温度差を10℃程度設ける
夜間温度
18〜22℃
イベラ亜種は低温に比較的強い。アラブ亜種は22℃以上を維持する
湿度
30〜50%
ヘルマンより乾燥を好む傾向。高湿度(60%超)は避ける
UVB指数
UVB 10.0
砂漠〜乾燥草原の強い紫外線環境を再現。UVB150クラスが適切
推奨ケージサイズ
90〜120cm
よく動く種。成体には120cm以上の床面積が理想的

餌と水の与え方

野草・葉野菜を主食にします。タンポポ・オオバコ・シロツメクサ・コマツナ・チンゲン菜などが適しています。キャベツ・ほうれん草は多量に与えると甲状腺・カルシウム代謝に影響する場合があるため少量に留めます。

果物は糖分が多く腸内環境を乱す可能性があるため、ほとんど与えないのが基本です。カルシウムパウダーを餌に振りかけることで甲羅の健康を維持します。

水はケージ内に浅めの水入れを常設し、定期的に新鮮な水と交換します。温浴(週1〜2回)で水分補給と排泄を促すことができます。

推奨機材セット

よくある質問

ヘルマンリクガメとどちらが飼いやすいですか?
亜種が明確なヘルマンリクガメの方が、飼育環境の設定がしやすいです。ギリシャリクガメは亜種によって最適環境が大きく変わるため、亜種不明の個体を購入するリスクがあります。ただし亜種情報が明確で、その亜種の飼育実績がある方なら、ギリシャリクガメも非常に丈夫で楽しめる種です。
甲羅の模様で亜種を判断できますか?
同じ亜種名の中でも甲羅の模様が違うと他の亜種と見分けがつかなくなったり、個体差も大きいため、甲羅だけでの断定はできないとも言われています。販売者に産地情報を確認するのが最も確実な方法です。
冬眠はさせるべきですか?
亜種によります。イベラ亜種などは野生で冬眠しますが、アラブ亜種など温暖な地域の亜種は冬眠しません。亜種不明の場合は冬眠させず、室内保温での通年飼育が安全です。冬眠させる場合は健康状態の確認と適切な温度管理が必須です。
水を全く飲まないのですが大丈夫ですか?
水入れから水を飲まない個体もいます。その場合は水入れを置かずにエサで水分を補給する方法があります。水分の多い葉野菜を与えたり、週1〜2回の温浴で水分補給することが効果的です。ただし体重が減少しているようなら脱水の可能性があります。

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