Species Guide
🌴

エロンガータリクガメ

Indotestudo elongata — Elongated Tortoise

インド〜東南アジアの熱帯森林に分布する多湿系リクガメ。地中海系リクガメとは正反対の「高湿度・湿った床材・潜る習性」が飼育の核心。CITES II種のため国内CBインボイス付き個体を選ぶことが必須で、乾燥飼育は禁物。

甲長
25〜33cm
難易度
中〜上級
寿命
40〜60年
食性
草食(果物少量可)
🌡️ 温度(ホットスポット)
32〜35℃
💧 湿度
60〜80%(重要)
📐 ケージサイズ
90cm以上(成体は120cm〜)
推定寿命
40〜60年(飼育下)
⚠️ 初心者向き?中〜上級。乾燥飼育NG。湿度・温度の精密管理が必須。地中海系と混同しないこと。
⚡ 3秒判定 — エロンガータはこんな人向け
✅ 湿度管理(ミスト・加湿)ができる
✅ 90cm以上のケージを用意できる
✅ 地中海系と違う種に挑戦したい
✅ CITES IIのCB証明書を確認できる
❌ 地中海系(ロシア・ヘルマン)と同じ管理をしたい
❌ 湿度管理が難しい環境
難易度 ★★★☆☆中〜上級
この亀が向いている人
  • ✓ 東南アジア系リクガメの個性的な外見が好み
  • ✓ 多湿環境の管理技術を磨きたい
  • ✓ 中型リクガメ(25〜33cm)を飼育したい
  • ✓ 繁殖実績のあるCB個体での長期飼育を目標にしている
この亀が向いていない人
  • ✗ 乾燥系リクガメと同じ管理を想定している方
  • ✗ 高湿度維持設備を置けない環境
  • ✗ 入門〜中級向けの種を求めている方
Life Preview

エロンガータリクガメと暮らすと、どんな毎日になる?

📅1年後の姿
扁平で細長い甲羅が特徴的な、東南アジア産の多湿リクガメ。

1年後の甲長は12〜16cm程度。楕円に近いスリムな甲羅形状が際立ってくる時期。乾燥に弱く、霧吹きや湿度管理が重要になる。慣れるまでに時間がかかる個体も多いが、環境が合うと活動的になる傾向がある。

📏10年後のサイズ感
20〜28cm・細長い体型を維持したまま成長する。

10年後は甲長20〜28cm、重さ1〜2kg程度が多い。横幅よりも前後に長い独自の体型が成体でより際立つ。120cm以上のケージが快適な飼育に向く。30〜80年という幅広い寿命で、長期の付き合いになる種。

向いている飼い主
多湿系リクガメの独自の外見と生態に魅力を感じる中上級者。
  • 乾燥系リクガメとは異なる「多湿・森林系」の飼育に挑戦したい
  • スリムな体型という独自のフォルムに魅力を感じる
  • 霧吹きや保湿材を使った湿度管理を丁寧に行える
  • 東南アジアの森林環境の再現に興味がある
向いていない飼い主
乾燥した環境での飼育が前提になっている人。
  • 乾燥環境での管理が常態化している場合、脱水や皮膚トラブルが起きやすい
  • 多湿環境の維持にはケージや管理の工夫が必要で、初心者には難易度が高い
  • 流通量が少ない場合があり、安定した入手ルートの確保が必要
  • 神経質な個体も多く、環境変化へのストレスに配慮が求められる
⚠️後悔しやすいポイント
💡
「リクガメだから乾燥させれば大丈夫」と思い、湿度不足を起こす。

エロンガータリクガメは多湿系リクガメの代表種で、乾燥した環境への適応が低い傾向がある。ヘルマンやロシアリクガメの感覚でケージを管理すると、脱水や呼吸器トラブルが起きやすい。60〜80%程度の湿度を保つための保湿材・霧吹き・ケージ設計の工夫が安定飼育の基本になりやすい。

⚠️ 乾燥飼育NG・CITES II確認必須
エロンガータリクガメは高湿度(60〜80%)が必要な多湿系リクガメです。地中海系リクガメと同じ乾燥管理では呼吸器疾患・脱水・ピラミッディングを引き起こします。またCITES IIのため、購入時はCB証明書(取引証明書)の確認が必須です。書類なし個体は購入しないでください。
✅ 法的ステータス — CITES II
国内での飼育は合法ですが、合法的に流通しているCB個体(国内繁殖または登録済み輸入個体)にはインボイス・証明書が発行されます。購入時は必ず書類の有無を確認してください。書類なし個体は法的リスクがあります。

Wild Life — 東南アジアの熱帯森林に生きる

エロンガータリクガメはインド北東部・ミャンマー・タイ・インドシナ半島・マレー半島に分布します。標高300〜600mの熱帯モンスーン林・落葉林の林床を好み、倒木の下や腐葉土・落ち葉の堆積した場所に潜り込んで過ごすことが多い種です。

野生では野草・落ち葉・野菜類・果物・キノコ・ミミズや昆虫の幼虫なども食べる雑食性に近い草食ですが、飼育下では野草・野菜中心の食事が基本です。モンスーン期(雨季)には活発に活動し、乾季は半休眠状態になることもあります。この「多湿を好む性質」が飼育でも最重要ポイントです。

ピラミッディングとは?
甲板(鱗板)が重なり合うように盛り上がる現象で、主に慢性的な低湿度・栄養不足・急速な成長が原因とされています。一度変形した甲羅は元に戻りません。多湿管理・適切な給餌量・幼体期の湿度維持がピラミッディング予防の柱です。
🐢

エロンガータ以外のリクガメも比較したい? 100種対応の診断ツールで自分に合う種を探せます。

無料で診断する(3分)

飼育環境 — 湿度と温度勾配が最優先

エロンガータリクガメの飼育で最も重要なのは湿度60〜80%の維持です。ヤシガラや腐葉土系の床材を厚めに敷き、霧吹き・自動ミスト・加湿器などを組み合わせて湿度を保ちます。ただし通気が悪いと蒸れて呼吸器疾患になるため、高湿度 + 十分な換気の両立が重要です。

ケージサイズ
90〜120cm
成体(33cm)には120cm以上推奨。木製またはガラス製で湿度を保てるもの
ホットスポット
32〜35℃
バスキングライト直下。消化・代謝に必要。1カ所に集中照射
クールエンド
26〜28℃
ケージ反対側の温度。温度勾配を作ることで自分で選ばせる
夜間温度
24〜26℃
20℃以下は危険。夜間もヒーターで維持。パネルヒーター補助も有効
湿度
60〜80%
最重要項目。ミスト・加湿器・床材の水分で維持。乾燥はNG
UVB
UVI 2〜4
フォレスト5%タイプ。6〜12ヶ月で交換。甲羅形成・カルシウム代謝に必須
床材の深さ
10〜15cm
エロンガータは床材に潜り込む習性がある。ヤシガラ・腐葉土・赤玉土混合を厚めに敷く。表面は霧吹きで適度に湿らせる

幼体の管理は特に注意

幼体期(甲長10cm以下)は脱水に非常に弱く、環境が乾燥するとあっという間に衰弱します。成体より湿度を高め(70〜85%)に保ち、毎日ぬるま湯での温浴(10〜15分)を行うことを強く推奨します。温浴は排泄・水分補給・代謝促進に効果的で、幼体の死亡リスクを大幅に下げます。

呼吸器トラブルの予防

エロンガータは呼吸器疾患(肺炎・気管支炎)にかかりやすい種です。口呼吸・鼻水・開口呼吸などの症状が出たら、すぐに爬虫類専門の獣医に相談してください。予防には高湿度維持と同時に、定期的な換気でアンモニア・カビの蓄積を防ぐことが重要です。

地中海系リクガメとの違い — 管理の核心比較

最もよく比較されるロシアリクガメ・ヘルマンリクガメ(地中海系)とアカアシリクガメ(多湿系南米)を並べました。

← 横にスクロールできます

種名 甲長 難易度 湿度管理 産地 特徴
ロシアリクガメ 15〜20cm 入門〜中級 30〜40%(乾燥) 中央アジア 乾燥系・コンパクト・入門定番
アカアシリクガメ 30〜40cm 中〜上級 60〜80%(必須) 南米 多湿系・雑食・大型化
ヘルマンリクガメ 15〜23cm 中級 40〜60% 欧州地中海 半乾燥・EU産CB豊富・人気No.1

食事 — 野草・野菜中心、果物は少量

主食は野草(タンポポ・クローバー・オオバコ・ヒメジョオン等)と野菜(小松菜・チンゲン菜・モロヘイヤ・レタス)です。カルシウム補給のためカトルボーン(イカの甲)を常時置いておきましょう。果物(イチゴ・パパイヤ・バナナ等)は月1〜2回程度の少量にとどめ、糖分過多を避けてください。

市販のリクガメ用配合飼料は補助食として使えます。毎日または1日おきの給餌が基本で、食べ残しはすぐ取り除いて衛生を保ちます。温浴後に給餌するとよく食べる個体が多いです。

ほうれん草・ケールを与えないこと
シュウ酸を多く含むほうれん草は、カルシウムの吸収を妨げるため避けてください。ケールも甲状腺への影響が懸念されます。タンパク質(ミミズ・コオロギ)は少量なら与えられますが、草食を基本にしてください。

推奨機材セット

よくあるトラブルQ&A

甲羅が盛り上がってきました(ピラミッディング) 健康
低湿度・過栄養・急速な成長が主な原因です。一度変形した甲羅は元に戻りません。発見したら即座に湿度を見直し、60〜80%に維持できているか温湿度計で確認してください。給餌量が多すぎる場合は減らし、温浴の頻度を増やすことも効果的です。幼体期の管理が特に重要で、この時期の乾燥は取り返しのつかない変形を招きます。
ロシアリクガメと同じ飼育セットで飼えますか? 比較
飼えません。ロシアリクガメは乾燥系(湿度30〜40%)、エロンガータは多湿系(60〜80%)で、管理方法が正反対です。床材の種類・水分量・UVBランプのタイプ・ケージの素材まで異なります。同じ設備で両方は飼育できないと考えてください。もし乾燥系の設備しかない場合は、ロシアリクガメや地中海系リクガメを検討することをおすすめします。 → ロシアリクガメの詳細はこちら
鼻水が出ています・口を開けて呼吸しています 健康
呼吸器疾患(気管支炎・肺炎)の可能性があります。エロンガータは呼吸器疾患にかかりやすい種です。すぐに爬虫類専門の獣医に相談してください。放置すると急速に悪化します。主な原因は温度低下・乾燥・換気不足・ストレスです。予防は高湿度維持と通気の両立、急激な温度変化を避けることです。
床材に潜って出てきません 行動
これはエロンガータの正常な行動です。野生でも腐葉土や落ち葉の下に潜り、体温や湿度を調節します。毎日給餌の際に姿を確認できれば問題ありません。ただし1週間以上全く出てこない・餌を食べない・体重が著しく減少している場合は体調不良の可能性があります。温度・湿度が適切かを確認し、それでも改善しない場合は獣医に相談してください。
CITES IIとは? 購入時に何を確認すればいい? 法律
CITES(ワシントン条約)付属書IIは、商業取引に際して書類(インボイス・輸出許可証・国内CB証明書等)が必要な種です。購入時は必ず書類の有無を確認してください。国内でブリーダーが繁殖させたCB個体や、適切な輸入手続きを経た個体には書類が発行されます。書類なし個体の購入は法的リスクがあります。ショップに「CB証明書はありますか?」と確認してから購入しましょう。
温浴は必要ですか? 頻度は? 管理
エロンガータに温浴は非常に効果的です。特に幼体は毎日、成体は週2〜3回の実施を推奨します。30〜32℃のぬるま湯に甲長の半分程度の深さで10〜15分浸けます。温浴は水分補給・排泄促進・代謝活性化に効果があり、脱水予防にもなります。嫌がる個体もいますが、静かに見守ってください。終わったらしっかり体を乾燥させてからケージに戻してください。

関連ページ

多湿系リクガメの中から自分に合う種を探したい方はこちら。

🐢 カメ適性診断をはじめる(100種対応)

Kame Life Guide

野生環境から逆算した飼育情報を、すべて無料で。